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エヌビディア6兆ドル時代へ:AI黄金期がもたらす光と影
エヌビディアの株価を大きく押し上げてきた人工知能(AI)ブームは衰える気配を見せておらず、同社の時価総額は最終的に6兆ドル(約875兆円)に達する可能性があると、ループ・キャピタルが指摘した。これは現在のエヌビディアの時価総額約3兆7000億ドルから60%余りの増加に相当する。ループのアナリスト、アナンダ・バルア氏は、この状況を「生成AI普及の次なる『黄金の波』に突入している」と表現している。
エヌビディアの現在地と市場での立ち位置
2025年6月25日時点で、エヌビディアの時価総額は約3兆7000億ドルから3兆7630億ドルで推移しており、マイクロソフトと世界トップの座を争っている。2024年1月9日時点ではアップルが1位(2兆8860億ドル)だったが、1月13日にマイクロソフトがアップルを抜き世界首位に立った。エヌビディアは2024年6月には一時的にアップルやマイクロソフトを抜き、時価総額3兆3000億ドルで世界一になった経緯がある。
2025年6月25日の取引では、エヌビディアの株価は前日比4.3%高の154.31ドルで終了し、1月以来の最高値を更新。4月の安値からは63%上昇し、時価総額は約1兆5000億ドル(約217兆円)増加した。この日の上昇により、エヌビディアの時価総額は約3兆7700億ドルに達し、マイクロソフト(時価総額3兆6600億ドル)を抜いて世界最大の企業となった。
AIブームの牽引役としてのエヌビディア
エヌビディアの株価を押し上げてきたのは、人工知能(AI)ブームである。特に、2022年11月に登場したChatGPTによる生成AI半導体の世界的な需要拡大が背景にある。2025年8月の世界の半導体売上高は前年比28.0%増の561.6億ドルと過去最高を記録しており、AIムーブメントがシリコンサイクルの上昇局面と重なり、AI関連半導体の需要が急拡大している。
エヌビディアはAI向けGPU市場で約80%という圧倒的なシェアを誇っている。同社のGPUは、数千個の演算機構「コア」を持つため、大量の計算を並行して行うことができ、AIの演算に不可欠だ。また、独自のソフトウェア開発環境「CUDA」を提供することで、AI計算分野での標準的な地位を確立している。2024年度のエヌビディアの売上構成比では、データセンター向けが78%を占めている。
データセンター事業の驚異的な成長
大規模言語モデルやレコメンデーションエンジン、生成AIアプリケーションの需要がエヌビディアのデータセンター事業を牽引しており、2026年度第1四半期には売上高が前年同期比73%増の391億ドルに達した。これは市場予想をわずかに下回ったものの、依然として高い伸び率を維持している。
ループ・キャピタルは、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどのハイパースケーラーによるAIデータセンターへの支出が2028年までに約2兆ドルに増加する可能性があると予測している。
AIインフラの「国家インフラ化」
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、AIが電力やインターネットに次ぐ「国家インフラの一部」になりつつあると述べ、各国がAIに直接投資する「ソブリンAI」の需要が今後「巨大になるのは確実だ」と語っている。バンク・オブ・アメリカは、ソブリンAI市場が長期的に年間500億ドル規模に達する可能性があり、これは世界のAIインフラ市場全体の10~15%に相当すると見ている。
実際、スウェーデン、日本、韓国、インド、カナダ、フランス、英国、ドイツ、イタリア、スペインなどでは現在、国家AIファクトリーの建設が進められている。
広がるAI市場と半導体産業への影響
WSTS(世界半導体市場統計)の予測では、世界の半導体出荷額は2024年に前年比19.0%増の6,269億ドル、2025年には前年比11.2%増の6,972億ドル(約109兆円)に達し、2年連続で過去最高を更新し、円換算で初めて100兆円を超える見込みだ。AI関連投資の拡大がメモリーやロジック半導体の市場拡大を牽引している。
ビッグテック企業の大規模投資
米国の主要テクノロジー企業(アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ)は、2025年に過去最大の設備投資を計画しており、マイクロソフトは2025年6月期に800億ドルを見込んでいる。これはNVIDIA製GPUへの需要が今後も急減しないことを示唆している。
メタは、2024年末までに約35万個のエヌビディア製AI用GPU「H100」を保有する予定であり、これによって約60万個のH100相当のコンピューティング能力が利用可能になると推定されている。
生成AIの定義と企業での活用実態
生成AIは、学習したデータを基に新たな情報やデータを作り出す人工知能(AI)の技術である。これまでのAIが「認識」と「予測」を得意としていたのに対し、生成AIは文章、画像、音声、動画、さらにはWebページやプログラムまでAI自身で生成することが可能となり、「新しいものを生み出す」という従来のAIの限界を打ち破った。その核となる技術は「潜在空間」と「確率分布」にある。
企業における具体的な導入成果
生成AIは企業での導入が加速しており、業務効率化や顧客体験向上に貢献している:
- GMOインターネットグループ:生成AI活用により2024年上半期で約67万時間の業務時間を削減
- メルカリ:「AI出品サポート」を提供し、写真から商品名や説明文などを自動入力することで出品作業の手間を解決
- セブンイレブン・ジャパン:生成AIを活用して商品企画の期間を10分の1に短縮
- パナソニック ホールディングス:生成AIが設計したモーターを電動シェーバーに採用することを検討しており、そのモーターは熟練技術者の設計と比較して出力が15%高い
- 大林組:生成AIを活用して建築物のファサードデザイン案を自動生成し、設計時間を大幅に短縮
- パナソニック コネクト:社内AIアシスタント「ConnectAI」が導入3ヶ月で約26万回利用され、想定の5倍以上の活用実績
- ビズリーチ:生成AIを活用した職務経歴書の自動作成機能を提供し、スカウトの受信率が40%向上
- 三菱UFJ銀行:生成AIの導入で月22万時間の労働時間削減
- LINE:エンジニアが1日2時間の業務効率化
- パルコ:グラフィック、ムービー、ナレーション、音楽の全てを生成AIで作成したファッション広告を制作
多岐にわたるユースケース
生成AIは、リサーチ、翻訳、要約、分析、企画立案、文書作成(メール、企画書)、設計・デザイン案作成、ソフトウェア開発・デバッグ、社内知見検索、顧客対応自動化、サービス機能・顧客体験の進化など、幅広い業務で活用されている。
業務効率化・生産性向上の観点では、レポート、議事録、契約書などの文書の自動生成、顧客対応メールの下書き作成、大量データの分析、ビジネスインサイトの抽出など、反復作業をAIが自動化することで、人間は創造的な業務に集中できる。
コスト削減の面では、業務負担の軽減、広告コピーやコンテンツの自動生成によるマーケティングコストの削減、プログラム自動生成による開発工数削減などが挙げられる。
顧客体験の向上では、AIチャットボットによる24時間対応のカスタマーサポート、ユーザー行動データ解析によるパーソナライズされた商品・サービス提案などが可能となっている。
クリエイティブの強化では、キャッチコピーやブログ記事の作成支援、バナーや広告用画像の作成、動画のカット編集や字幕生成の自動化などが実現されている。
競争激化するAI半導体市場
エヌビディアのAI半導体市場における「1強」体制を揺るがす動きも出ている。AMDやアマゾンがNVIDIA製品に代わる信頼できる選択肢を開発している兆しがある。
主要な競合プレイヤー
- AMD:AI関連企業を立て続けに買収し規模を拡大、演算処理能力の高いAIチップやソフトウェアを開発し、エヌビディアとのシェア差を縮めようとしている
- ブロードコム:ネットワーク構築と特定用途向け集積回路(ASIC)への次なる投資の波で高いシェアを占める準備を進めており、2024年度にはAI部門の収益が100億ドルに達し、世界第2位のAIチップサプライヤーになることを目標としている
- Google:2024年5月に性能を4.7倍向上させた「TPU」の第6世代モデルを発表
- マイクロソフト:特定の目的のために最適化されたカスタムICの開発を進めており、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイを導入
また、クローズド型AIモデルに対して、オープン型AIモデルの性能向上と軽量化が進み、技術的優位性が急速に侵食されつつある。
AIブームの「不都合な真実」
AIブームには多くの期待が寄せられる一方で、技術的、運用的、倫理的な課題が存在する。
1. 電力消費と環境負荷
AIブームはデータセンターの急増を招いており、これによる大量の電力消費と環境への負荷が懸念されている。米国だけでも約3,000カ所のデータセンターが稼働しており、今後10年で数千カ所が追加される見込みだ。
ゴールドマン・サックスの分析によると、2030年までに世界のデータセンターの電力需要は最大165%増加する可能性がある。米国ではデータセンターのエネルギー需要が2020年の100テラワット時未満から2030年には400テラワット時まで増加し、メキシコ全体の総電力需要を上回る可能性があると推定されている。
国際エネルギー機関は、2026年の電力消費量が2022年から最大で2.3倍になると試算している。さらに、多くのデータセンターが石炭産出地域に立地しているため、使用されるエネルギーの炭素強度が全国平均より高いという問題もある。
OpenAIの最新の高性能AIモデル(例:o3)は、1回の推論で多くの計算を行うため、消費電力が非常に大きいとされている。例えば、OpenAI o3がARC-AGIの1つの問題を解くのに1,785キロワット時の電力(米国の一般家庭の2ヶ月分に相当)を消費し、これはガソリン満タン5回分のCO2排出量に換算される。
2. 倫理的・社会的課題
正確性と信頼性の問題:生成AIは学習データに基づいて新たな情報を生成するため、事実と異なる内容(ハルシネーション)を出力する可能性がある。これにより、誤った情報が社内資料や顧客向けコンテンツに含まれるリスクがある。
データの偏りとバイアス:生成AIは学習するデータの品質に大きく依存するため、データに偏りやバイアスが含まれていると、AIの出力にも反映され、性別や人種、社会的地位などについて偏った見方をする可能性がある。例えば、米国でのAI採用システムでは男性ばかりが採用される欠陥が発覚し、事業運用が中止された。また、日本の子供家庭庁が開発を進めた虐待判定システムでは、テスト段階で判定ミスが6割にも及び実用化が困難と結論付けられている。
データプライバシー・セキュリティのリスク:企業がAIに機密情報を入力すると、そのデータがAIの学習データとして保存され、データ漏洩のリスクが高まる。サイバー攻撃の増加も懸念されており、システムやデータの保護が不可欠だ。
悪用・誤用の可能性:生成AIによって本物と区別困難なフェイク動画・音声・文章の生成が容易になり、詐欺などの犯罪行為が巧妙化する恐れがある。香港では、AIによるディープフェイクを用いたビデオ通話に騙され、約38億円が送金される被害が発生している。フェイクの拡散は世論誘導、選挙干渉、社会混乱を招く「新種のサイバー攻撃」ともみなされている。
人間的思考への影響:AIによるレコメンデーションへの依存が高まると、意思決定の主体性が低下する懸念がある。また、ソーシャルメディアにおける「フィルターバブル」や「エコーチェンバー現象」により、人々の思考が誘導されやすくなるリスクも指摘されている。
雇用の置き換えと著作権:AIによる労働者の置き換えや失業、AIによる生成物に関わる著作権の問題も懸念されている。ゴールドマン・サックスの米国での試算によれば、約70%の職種でAIの影響を受ける可能性があるものの、雇用そのものが失われる可能性は限定的で、約7%に留まるとされている。
3. AGIと資金問題
OpenAIのサム・アルトマンCEOがAGI(汎用人工知能)構築のために7兆ドルを調達しようとした話が言及されているが、AIシステムの開発と製品化における採算性への理解不足や、AGIが人間の仕事を代替した場合の経済への影響(購入する人がいなくなる可能性)などが資金面での課題として挙げられている。また、AGIへの期待を大幅に縮小する動きも見られ、一部からはAI分野への関心が低下する可能性も指摘されている。
4. 複雑なサプライチェーンの脆弱性
地政学リスク:米中対立の激化により、半導体が経済安全保障上の重要品目となり、米国の対中輸出規制強化は、日本を含む他国・地域にも影響を与えている。これにより、半導体の安定供給が不安視されている。
供給元の偏り:TSMC、SKハイニックス、サムスンといった主要半導体企業は、半導体関連原材料の多くを日本企業に依存しており、東アジアに偏重していることが指摘されている。
サプライチェーンの再構築:コロナ禍で顕在化したサプライチェーンの脆弱性に対応するため、新たなサプライチェーンの構築・強靭化、エコシステムの再構築、そして国際物流の正常化が求められている。各国政府は半導体支援策を強化しており、日本政府も国内生産拠点への補助金や税制措置を通じて半導体産業の発展に寄与している。
5. 人材育成の課題
理系人材の不足:日本は諸外国と比べて理系人材の割合が少なく、半導体分野では人材不足が深刻だ。2000年代初頭のITバブル崩壊以降、半導体関連企業への就職を目指す学生が減少傾向にある。
育成と確保の必要性:日本の半導体産業が国際競争力を堅持し、持続的に発展していくためには、半導体に関わる人材育成が非常に重要だ。初等教育から大学まで一貫した半導体人材育成策を講じ、全国規模のオープンな半導体人材育成ネットワークを構築すること、国内外の研究機関・企業・大学・高等専門学校が連携した教育プログラムや共同研究、人材交流の促進が求められている。
待遇と流出防止:海外の優秀な人材を日本国内で活用するためには、外国人材を容易かつ長期にわたって活用できる雇用制度の整備、高額報酬への支援、所得税免除などの制度拡充が検討されている。また、海外への半導体人材の流出を防ぐため、企業側の待遇改善や政府による雇用維持支援も重要だ。
「AIバブル」という見方
一部では「AIバブル」という見方もあり、2025年現在は特に「生成AIバブル」が問題視されている。一部のAI企業は高い評価を正当化する収益や成長性がなく、収益性の高い収益源の欠如がバブル崩壊の原因となる可能性が指摘されている。多くの新興企業がOpenAI APIのラッパーに過ぎず、VC資金を燃やしているだけだという見方もある。
今後の展望と戦略的考慮事項
AIはインターネットや電力のように、私たちの生活や仕事のあらゆる側面に深く浸透し、なくてはならない存在になる可能性がある。教育、医療、製造、エンターテイメントなど、あらゆる分野で構造的な変化を引き起こすだろう。また、交通システム、エネルギー管理、都市計画など、より効率的で持続可能な社会の実現に貢献し、少子高齢化による労働力不足といった社会課題の解決にも期待されている。
次世代AIモデルの研究開発
現在の基盤モデル・生成AIは高い汎用性を持つものの、資源効率、論理性・正確性、実世界操作(身体性)、安全性・信頼性などに課題がある。これらの克服を目指し、画像・映像認識や運動制御といった「知覚・運動系のAI技術」と、自然言語処理のような「言語・知識系のAI技術」を融合させた「次世代AIモデル」(第4世代AI)の研究開発が進んでいる。
研究開発体制の強化
研究開発に必要な計算資源やデータの超大規模化、研究チームの大型化、研究トレンドの短期化など、「ビッグサイエンス化」と「ハイスピード化・ハイインパクト化」が進行している。また、ビッグテック企業による最先端研究成果の「非オープン化」も進んでいる。
これに対応するため、国として共同利用の大規模クラウドコンピューティング施設の継続的整備・強化を行い、多様な研究開発者に恩恵を提供することが期待されている。日本は、米中2強の状況下で、日本の社会課題や強みを意識したAI研究開発戦略を持ち、産学連携による研究エコシステムの形成を進める必要がある。
政府の支援
日本政府は、国内の半導体市場創出を最優先で実施し、それに呼応する形で新製品開発や製造能力強化を図るよう業界に期待している。令和5年度補正予算では、半導体関係で総額2兆円近い予算が確保された。また、特定重要物資生産の国内生産促進税制や、半導体人材育成ネットワークの構築、工場見学や出前授業を通じた教育機会の提供など、多岐にわたる支援策が講じられている。
新たな雇用機会の創出
生成AIの進展により、AIプロンプター・プロンプトエンジニアや、画像生成AIやテキスト生成AIを用いた非開発系クリエーターなどの仕事が増加すると考えられている。また、対話型AIや音声認識技術の活用により、障害者や高齢者の労働参加機会も拡大する可能性がある。
投資の視点から見たAIブーム
ブラックロックは、AIを経済のあり方を根本的に変える「メガフォース」の一つと捉えており、その変革は産業革命をも凌ぐ範囲と影響を持つ可能性があると考えている。このAIのメガフォースは米国株式により大きな恩恵をもたらすため、ブラックロックは米国株式のオーバーウェイトを維持している。
プライベート市場、特に空港やデータセンターなどのインフラ資産を相対的に選好している。これは、バリュエーションが大きく上昇しておらず、キャッシュフローがインフレと連動することが多いため、インフレ率上昇に対するポートフォリオの影響を緩衝する効果があると見ているためだ。
日本株式についても、企業改革と緩やかなインフレの復活により、企業収益成長が高まっていることから、オーバーウェイトとしている。
エヌビディアの最新動向
2025年2月26日に発表されたエヌビディアの2024年11月-2025年1月期決算では、売上高が前年同期比78%増収の393億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)(Non-GAAP)が同71%増益の0.89ドルとなり、共に調査会社ファクトセット集計による市場予想平均を上回った。
2025年2-4月期については、売上高の会社見通しは430億ドル±2%で、予想レンジとしては421.4~438.6億ドルだ。市場予想平均は420.7億ドルだったので、会社の予想レンジは市場予想平均を上回っている。
収益性を示す指標の一つである粗利率(売上高総利益率)についてみてみると、2024年11月-2025年1月期は調整後ベースで73.5%と、前年同期である2023年11月-2024年1月期の76.7%、直前四半期である2024年8-10月期の75.0%から低下した。これはブラックウェルの出荷開始に伴う一時的なもので、会社は2026年1月期後半には、粗利率は70%台半ばに回復する見込みとしている。
エヌビディアは例年、3月に大規模カンファレンス「NVIDIA GTC(GPU Technology Conference)」を開催している。今年は3月17日から21日に行われる予定だ。ブラックウェルも、2024年のGTCで発表された。新技術や新商品などの発表があるとしたら、GTCで行われるとみられる。
まとめ:6兆ドルへの道のりと課題
エヌビディアが6兆ドル規模に到達する可能性は、AI技術の計り知れない進歩とそれによる広範な産業・社会変革への期待に基づいている。しかし、その過程では激しい競争、環境問題、倫理的課題、サプライチェーンの脆弱性、人材不足といった多岐にわたる「不都合な真実」にも直面しており、これらへの賢明な対応が今後の成長を左右する重要な要素となるだろう。
AIブームは確かに「黄金の波」かもしれない。しかし、その波に乗るためには、技術革新だけでなく、社会システムの変革、政策の見直し、そして私たち一人一人の意識と行動の変化が不可欠である。「信頼されるAI」のための技術開発として、AIソフトウェア工学、人・AI協働と意思決定支援への取り組みが進展している。
AIは単なる道具から、人の知的活動を代行したり協働したりするパートナー(AIエージェント)になる「人・AI共生社会」へ向かうと考えられている。このような社会では、技術と社会の両面からのアプローチを組み合わせることで、真の解決策が見出されるだろう。
AIを使いこなすにはノウハウやスキルが必要であり、最終的な判断や評価、意思決定は人間が行うことが求められる。変化を厭わず、常に学び続けられる人材、そして課題を発見する能力が重要とされている。
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