衆院選「自民圧勝」で日経レバはどう動く?2月9日の投資判断を徹底解剖



2026年2月8日の衆院選で自民党が単独過半数を大幅に超える274〜328議席を獲得する見通しとなり、SGX日経225先物は56,455円まで急騰した。 金曜終値54,253円から**+4.1%のギャップアップであり、NF日経レバ(1570)は月曜寄り付きで52,000〜54,000円台**への跳躍が見込まれる。しかし、すでに解散報道以降+6%織り込み済みの「高市トレード」の賞味期限、材料出尽くしリスク、そして日銀利上げや米最高裁の関税判断といった外部要因を考慮すると、寄り付きからの全力買いは合理的とは言えない。本稿では、選挙結果・市場環境・レバレッジETFの特性を踏まえた実践的な投資戦略を提示する。


自民党300議席超の衝撃と「高市トレード」第3波

NHK出口調査によると、自民党の獲得議席は274〜328議席。公示前196議席からの大幅増であり、連立パートナーの日本維新の会(28〜38議席)と合わせると与党で302〜366議席に到達する見通しだ。衆院の3分の2ライン(310議席)を超える可能性も高く、憲法改正の発議権を手にする歴史的な勝利となる。

今回の選挙は、2025年10月に発足した高市政権が通常国会冒頭で解散に踏み切った「60年ぶりの冒頭解散」であり、解散から投票日まで戦後最短の16日間という超短期決戦だった。高市首相は「233議席を下回れば即退陣」と明言していたが、結果は大勝。中道改革連合(立憲民主党と公明党が合流した新党)は公示前172議席から37〜91議席へ壊滅的敗北を喫し、安住淳共同幹事長の落選も確実となった。

市場の反応は明確だ。SGX日経225先物は選挙開票と同時に急騰し、始値53,612円→高値56,467円まで約2,850円幅の大相場を演じた。これは野村證券が事前に試算した「自民単独過半数なら+2%程度」を大きく上回り、「予想以上の圧勝」を織り込む動きと読める。ドル円も157円台後半で推移しており、TD Securitiesは「LDP絶対安定多数なら160円方向」(確率65%)と予測する。


NF日経レバ(1570)の現在地と月曜シナリオ

NF日経レバ(1570)の2月6日終値は49,680円。PTS(時間外取引)では2月7日に52,930円(+6.5%)で取引されている。SGX先物が示唆する月曜の日経平均55,500〜56,500円を前提にすると、NF日経レバは日経平均の日次変動率の2倍を追随するため、53,000〜55,000円レンジでの寄り付きが想定される。年初来高値50,690円(2月3日)を大幅に更新する水準だ。

信用残の状況も注目に値する。1月30日時点の信用買い残は128万4,471株(前週比+22万株)と大幅に積み上がっており、信用売り残は78万1,080株(前週比▲10.7万株)に減少。信用倍率1.64倍は買い方優勢を示すが、買い残の急増は利益確定売り圧力の予備軍でもある。日証金では株不足(54.9万株)が発生し逆日歩5.00円/日が付いている点にも留意したい。

基本情報として、NF日経レバの純資産総額は3,633.7億円、信託報酬は年0.88%、新NISAでは成長投資枠・つみたて投資枠ともに対象外だ。取引は特定口座または信用取引のみとなる。


「ご祝儀相場」は何日続くか——過去の衆院選アノマリー

過去の衆院選データは投資家に重要な示唆を与える。マネックス証券の吉野貴晶氏によれば、自民党が議席数を増やし過半数を確保したケースでは、選挙後3ヶ月で日経平均が平均+13%上昇している。2005年の「郵政選挙」や2012年の「アベノミクス選挙」がその典型だ。

しかし注意すべきデータもある。三井住友DSアセットマネジメントの検証では、選挙後半年間は上昇・下落がまちまちであり、与党大勝でも株価が下落するケースが散見される。さらに、半世紀以上続いた「解散から投票日まで株高」のアノマリーは2024年10月の衆院選で崩壊した前例がある。

ニッセイ基礎研究所の分析で特に重要なのは、「選挙後1〜2週間で株高なら、3ヶ月後もプラス維持する傾向」があるという点だ。逆に言えば、月曜の寄り付きで飛びつくより、1〜2週間の方向性を確認してからエントリーする方が統計的に合理的ということになる。

材料出尽くし(Sell the Fact)リスクも無視できない。2025年10月の高市政権発足時にも、寄り付きから激しい利確売りが出た。今回は解散報道(1月9日)以降すでに日経平均が約3,000円(+6%)上昇しており、「織り込み済み」の度合いは相当に高い。


サナエノミクスの真価——6万円への道筋と条件

高市政権の経済政策「サナエノミクス」は、アベノミクスの3本の矢を継承・発展させたものだ。特に市場が注目するのは以下の3点である。

第一に、積極財政の規模。 2026年度予算は約135兆円と過去最大。ガソリン税暫定税率の廃止(約1.5兆円減収)、食品消費税率ゼロの検討、所得税の基礎控除引き上げなど、減税色が強い。プライマリーバランス黒字化目標を「債務対GDP比」に見直す方向であり、財政拡張路線の制度的裏付けが進む。

第二に、AI・半導体投資。 ラピダスへの政府支援は累計約2.9兆円(国内史上最大)、TSMC熊本工場への投資は2工場合計200億ドル超、マイクロン広島工場は1.5兆円規模だ。2026年の日本の半導体市場は501億ドル(前年比+11.9%)と成長が続く。

第三に、防衛費増額。 現行のGDP比2%目標に加え、次期戦略3文書では2031年度にGDP比3.0%(約19.6兆円)を目指す可能性があり、5年間で72兆円の整備計画は防衛関連企業に巨大な需要をもたらす。

日経平均6万円の到達条件は明確だ。2027年3月期のEPSが12%増益で約3,012円に達し、PER20倍で評価されれば6万円超となる(マネックス証券試算)。大和証券、マネックス証券広木隆氏、三菱UFJeスマート証券が2026年末6万円を予測し、野村證券の上振れシナリオでは62,000円を視野に入れる。ただしメインシナリオの中央値は53,000〜56,000円であり、6万円到達には企業業績の2桁増益、コーポレートガバナンス改革の加速、海外投資家の継続的な買い越しといった複数の好条件が同時に揃う必要がある。


見落とせない外部リスク——関税、日銀、中国

強気シナリオを脅かすリスク要因は3つある。

トランプ関税の不確実性。 日本向け関税率は15%に落ち着いているが、2月20日以降に米最高裁が相互関税の違憲判断を出す可能性がある。判決内容とトランプ大統領の反応次第では市場が大きく動く。自動車大手7社のトランプ関税負担額は合計1兆4,000億円(2025年度上半期)であり、日産・マツダ・三菱は赤字転落している。一方、トランプ大統領がTruth Socialで高市首相への「Complete and Total Endorsement」を表明し、3月19日の首脳会談予定も発表されたことはポジティブ材料だ。

日銀の追加利上げ。 政策金利は0.75%(1995年以来30年ぶり水準)で、次回利上げは野村證券が2026年6月、NRIが9月と予測する。高市政権は利上げに慎重だが、円安が160円に接近すれば容認に傾く可能性がある。**政策金利1.00%**到達後は政権からの牽制が強まるとの見方が第一生命経済研究所から出ている。金利上昇は株式のバリュエーションを圧迫し、特にレバレッジETFには逆風となる。

中国経済の構造的減速。 不動産開発投資は前年同期比▲15.9%、デフレ圧力は持続し、2026年の4%成長は困難との見方もある。「デフレの輸出」を通じた世界経済への波及リスクには引き続き警戒が必要だ。


レバレッジETFの減価リスク——知らないと損する構造的弱点

NF日経レバは日次の値動きを2倍にする設計だが、2日以上の保有では複利効果の非対称性により期待リターンが削られる。これが「ボラティリティ・ドラッグ」だ。

具体例を示す。日経平均が10%下落→11.11%上昇して元の水準に戻った場合、NF日経レバは20%下落→22.22%上昇で**▲2.22%の損失が残る。原指数は変動ゼロでもレバETFは元に戻らない。実際、QQQ(Nasdaq100 ETF)が+11%上昇した2022〜2023年の約1年5ヶ月間に、3倍レバのTQQQは▲14.3%下落**した。レンジ相場が続くほど減価は加速する。

運用会社の野村アセットマネジメントも「中長期の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための金融商品」と明記している。年0.88%の信託報酬と先物ロールオーバーコストも長期保有の足枷となる。逆に、一方向に動く相場では複利が有利に働くため、**「方向性が明確な短期トレード」**に最適化された商品と理解すべきだ。


2月9日前場からの実践的投資戦略

以上を総合し、月曜以降の投資戦略を3つのシナリオで整理する。

メインシナリオ(確率55%):寄り付き急騰→1〜2週間は堅調推移。 自民300議席超の圧勝を受けて日経平均は55,500〜56,500円で寄り付き、「高市トレード第3波」として1〜2週間は強含む。NF日経レバは53,000〜55,000円からさらに上値を試す展開。このシナリオでは、寄り付き直後のオーバーシュートを避け、前場の値動きが落ち着いた10時30分以降に資金の3分の1でエントリー。1〜2週間の方向性を確認後に残り3分の1を追加。最後の3分の1は現金で温存する。

リスクシナリオ(確率30%):寄り付き天井の材料出尽くし。 事前に+6%織り込み済みの「Sell the Fact」が発動し、寄り付き高値をピークに利確売りが優勢に。信用買い残128万株の解消売りが重荷となり、日経平均は54,000円台に押し戻される。NF日経レバは51,000〜52,000円台で推移。寄り付きでの新規ロングは見送り、2〜3日の調整を待ってからエントリーが正解。

悲観シナリオ(確率15%):外部ショック。 米最高裁の関税判断前倒し、中国の地政学的緊張、あるいは想定外のイベントが「ご祝儀相場」を吹き飛ばす。日経平均は53,000円割れも。レバレッジ商品の新規ポジションは見送り、日経平均が53,000円を割り込んだ場合のみ逆張りエントリーを検討

SBI証券は「二度に買うべし、二度に売るべし」の格言を引用し、イベント前後で投資タイミングを二分する手法を推奨している。資金配分の目安は「70%日経平均連動ETF+5%コールオプション+25%現金」だ。NF日経レバを使う場合は信用取引の証拠金管理を厳格にし、必ず逆指値(ストップロス)を設定すること。目安はエントリー価格の▲5〜7%だ。


結論——勝負の分かれ目は「最初の2週間」にある

今回の衆院選は、自民党にとって2005年郵政選挙や2012年アベノミクス選挙に匹敵する歴史的大勝となった。サナエノミクスの積極財政、AI・半導体投資、防衛費増額は中長期的に日本株を押し上げる構造的要因だ。日経平均6万円は2026年末の楽観シナリオとして複数の有力ストラテジストが支持している。

しかし、NF日経レバでの月曜寄り付き全力買いは統計的にもリスク管理の観点からも推奨できない。過去のデータが示すのは「選挙後1〜2週間の方向性が3ヶ月後まで継続する」というパターンであり、初動の数時間で勝負を決める必要はない。レバレッジETFの減価特性を考慮すれば、保有期間は数日〜2週間が適正であり、中長期の資産形成には不向きだ。

最も合理的なアプローチは、月曜前場の値動きを冷静に観察し、3分割エントリー+逆指値の徹底で臨むことだ。高市政権の政策実行力が確認される2月下旬〜3月にかけて、本格的なポジション構築の好機が訪れる可能性が高い。焦る必要はない。相場は逃げない。


本稿は2026年2月8日21時時点の開票速報・先物データに基づく分析であり、投資助言ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。レバレッジETFは元本を大きく毀損する可能性があります。



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