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【2026年最新】石川製作所(6208)株価分析|防衛予算9兆円時代の本命銘柄を徹底解説
防衛予算の歴史的拡大と地政学リスクの高まりを背景に、機雷製造で国内独占的地位を持つ石川製作所の投資妙味を、ファンダメンタルズ・テクニカル両面から分析する。
結論:12ヶ月目標株価2,450円、現在水準は買い場の可能性
石川製作所(6208)は、2026年2月1日現在の株価1,607円に対し、12ヶ月後の目標株価を2,450円(上昇率約52%)と試算できる。この見通しの根拠は以下の3点に集約される。
第一に、防衛予算の構造的拡大である。高市早苗政権は2026年度の防衛予算として過去最大の約9兆円(580億ドル相当)を計上した。特筆すべきは、従来の迎撃ミサイル偏重から、機雷や無人機を用いた「拒否的抑止力」へのシフトが鮮明な点だ。機雷製造で国内独占的地位を持つ石川製作所は、この政策転換の最大受益者となる可能性が高い。
第二に、収益構造の不可逆的転換が挙げられる。2025年3月期において、売上高162億円のうち防衛機器部門が110億円超(約68%)を占めるに至った。5年前の40〜50%程度から大幅に上昇しており、同社は完全に「防衛主導型企業」へと変貌を遂げている。
第三に、市場の認識ギャップがある。多くの投資家は依然として同社を「北朝鮮ミサイル発射時の思惑銘柄」と認識している。しかし実態は、安定した政府調達に支えられた構造的成長株へと転換しており、この認識の乖離が投資機会を生み出していると考えられる。
| 項目 | 数値・評価 |
|---|---|
| 現在株価(2026年1月29日終値) | 1,607円 |
| 12ヶ月目標株価 | 2,450円(+52%) |
| 短期目標(1ヶ月後) | 1,850円 |
| 中期目標(6ヶ月後) | 2,100円 |
| リスクプロファイル | ハイリスク・ハイリターン |
石川製作所とは何者か:機雷製造の隠れたチャンピオン
石川製作所は東証スタンダード市場に上場する機械メーカーである。事業は大きく「防衛機器」と「産業機械(主に段ボール印刷機)」の2つのセグメントで構成される。
同社の最大の特徴は、機雷製造における国内独占的地位にある。機雷とは海中に敷設して敵艦船を攻撃する兵器であり、「貧者の兵器」とも呼ばれる。1発数百万円〜数千万円の機雷で、数百億円規模の敵艦艇を行動不能にできる費用対効果の高さが特徴だ。
機雷製造には火薬取締法や武器等製造法に基づく厳格な許認可と、高度な保安設備が必要となる。この参入障壁の高さが、同社の競争優位性を支えている。新規参入は事実上不可能であり、この「モート(経済的な堀)」が利益率を守る構造となっている。
近年では、敵味方を自律的に識別する「スマート機雷」や自走式機雷の開発も進められており、石川製作所はセンシング技術や制御技術を強化することで、次世代機雷の主要サプライヤーとしての地位を固めつつある。
マクロ環境:防衛予算9兆円時代と「SHIELD構想」の衝撃
高市政権と防衛費の「聖域化」
2025年10月に就任した高市早苗首相は、故・安倍晋三元首相の路線を継承し、安全保障政策において積極的な姿勢を示している。2026年度の防衛予算は過去最大の約9兆円に達し、対GDP比2%への早期到達と国産装備品の調達強化が推進されている。
特に注目すべきは、政府が打ち出した「SHIELD(Synchronized, Hybrid, Integrated and Enhanced Littoral Defense:包括的沿岸防衛)」構想である。これは沿岸部に無人機、無人水上艇(USV)、無人潜水艇(UUV)、そして新型機雷を重層的に配備し、敵の上陸部隊を阻止するシステムだ。
この構想において、機雷技術とメカトロニクス技術を併せ持つ石川製作所は、代替不可能な役割を果たすと見られている。
2026年衆議院選挙の影響
2026年2月8日投開票の衆議院選挙は、同社の株価を左右する重要なイベントとなる。現在の世論調査に基づくと、自公連立による安定多数維持がメインシナリオとして織り込まれつつある。
仮に政権基盤が維持されれば、防衛関連株への資金流入が加速する可能性が高い。一方、政治的混乱が生じた場合でも、緊迫する東アジア情勢を鑑みれば、機雷による沿岸防衛といった「専守防衛」的な装備への支持は超党派で得られやすく、石川製作所への影響は限定的と分析される。
地政学リスクの恒常化
台湾有事のリスクや北朝鮮の核・ミサイル開発の進展は、日本の防衛産業に対する評価係数を恒常的に切り上げる要因となっている。過去のデータ分析によれば、石川製作所の株価は北朝鮮の軍事的挑発との相関が高く(相関係数0.6〜0.8程度)、地政学リスクが意識されるたびに「ヘッジ手段」として買われる傾向がある。
ファンダメンタルズ分析:5年間の軌跡が示す構造転換
業績推移:防衛シフトの鮮明化
過去5年間の業績推移を見ると、石川製作所の構造的変化が明確に読み取れる。
| 会計年度 | 売上高 | 前期比 | 営業利益率 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年3月期 | 113.8億円 | -6.9% | 1.6% | コロナ禍で民需低迷 |
| 2022年3月期 | 120.8億円 | +6.1% | 1.7% | 物流機器の回復 |
| 2023年3月期 | 125.9億円 | +4.3% | 2.0% | 防衛予算増額の兆し |
| 2024年3月期 | 136.0億円 | +8.0% | 3.3% | 防衛受注残の積み上がり |
| 2025年3月期 | 162.0億円 | +19.2% | 4.3% | 防衛部門の本格寄与 |
売上高成長率は、2021年のマイナス成長から2025年には約20%増へとV字回復を遂げた。営業利益率も1%台から4%台へと改善しており、量産効果と稼働率向上、高付加価値な電子機器の比率上昇によるマージンミックスの良化が確認できる。
バランスシートの変化
2025年3月期第3四半期時点で、総資産は222億円に達し、前年同期の167億円から約55億円(+32%)増加している。この急増の主因は「棚卸資産(仕掛品)」の増加と推測される。
防衛装備品は受注から納入までのリードタイムが長く、納入直前まで在庫として積み上がる特性がある。したがって、この資産膨張は第4四半期に予定される巨額の納入(売上計上)に向けた準備が順調に進んでいることを示す先行指標と解釈できる。
キャッシュフローの「期ズレ」
直近の営業キャッシュフローはマイナス21億円程度となっている。一見するとネガティブだが、これは防衛受注に対応するための原材料仕入や製造コストが先行してキャッシュアウトしているためである。
第4四半期に防衛省からの入金が集中することで、通期または翌期初頭には大幅なキャッシュインが見込まれる。この「期ズレ」によるキャッシュフローの見た目の悪さを嫌気して株価が下がった場面は、むしろ買い場となる可能性がある。
テクニカル分析:チャートが示す市場心理
長期トレンドの転換
石川製作所の株価は、典型的な「イベントドリブン型」の動きをしてきた。2017年の北朝鮮危機時には3,000円を超える高値をつけたが、その後は長期的な調整局面にあった。
しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻、および日本の安保政策転換以降、下値を切り上げる展開となっている。現在の1,607円という株価は、2022年以降の上昇トレンドライン上に位置しており、1,500円近辺が強力なサポートラインとして機能している。
移動平均線分析
200日移動平均線(約1,503円)について見ると、株価は200日線の上方で推移しており、長期的な強気相場を示唆している。2025年後半には長期線が短期線を下支えする形でゴールデンクロスが発生しており、相場の地合いは強いと判断できる。
オシレーター系指標
日足RSI(相対力指数)は40〜50付近で推移しており、「売られすぎ」でも「買われすぎ」でもない中立水準にある。これは、次の材料(選挙結果や決算発表)待ちの状態を示している。
MACDはゼロライン付近で横ばいから収束傾向にあり、プラス圏でゴールデンクロスが発生すれば、強力な買いシグナルとなる可能性がある。
テクニカル上の結論
チャートは、1,550円〜1,600円のゾーンでの押し目買いを示唆している。52週高値の1,882円をブレイクすれば、テクニカル的には上値余地が広がり、心理的節目の2,000円、そして2,500円を目指す展開が予想される。
投資リスクの整理
投資判断にあたっては、以下のリスク要因を考慮する必要がある。
政治的混乱リスクについては、選挙結果により政治的膠着が生じ、予算執行が凍結された場合、短期的な売上認識が遅れる可能性がある。ただし、防衛費の大幅削減は現実的に困難であり、影響は限定的と考えられる。
原材料価格の高騰リスクとして、鉄鋼価格やエネルギーコストの上昇は製造原価を押し上げる。政府契約への価格転嫁にはタイムラグがあるため、一時的に利益率が低下するリスクがある。
供給制約リスクも存在する。急激な受注増に対し、熟練した技術者や製造ラインのキャパシティが追いつかない場合、納期遅延は違約金の発生や信用の毀損につながる可能性がある。
株価のボラティリティについても注意が必要だ。同社株は地政学イベントに敏感に反応するため、短期的な価格変動が大きい。長期保有を前提としたポジション管理が求められる。
まとめ:防衛スーパーサイクルの中核銘柄
石川製作所は、「北朝鮮ミサイル発射時の思惑銘柄」という従来の市場認識から、「防衛予算倍増の恩恵を受ける構造的成長株」へと実態が大きく変化している。
2026年度から2027年度にかけて、防衛予算の倍増計画が実際の受注・売上として本格的に計上される「スーパーサイクル」に突入すると見られる。現在の株価水準は、この構造的な利益成長とキャッシュフローの改善を十分に織り込んでいない可能性がある。
機雷製造という参入障壁の高いニッチ市場で独占的地位を持ち、SHIELD構想の中核サプライヤーとしての役割が期待される同社は、防衛関連セクターへのエクスポージャーを求める投資家にとって、検討に値する銘柄といえるだろう。
ただし、ハイリスク・ハイリターンの特性を持つ銘柄であることを認識し、ポートフォリオ全体のリスク管理を行った上での投資判断が重要である。





















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