FANG+が年初来-4.5%下落、それでも買いか?AI収益化で明暗分かれる巨大テック株の今



【2026年2月】FANG+指数が年初来-4.5%下落|AI収益化時代の勝者と敗者を徹底分析

FANG+指数は年初来で約4.5%下落、AI収益化への移行期で選別物色が進行中。2026年2月現在、NYSE FANG+インデックスは15,343〜15,673ポイント付近で推移し、52週高値の17,210から約9%調整している。米国経済は底堅く推移する中、FRBは3.50〜3.75%で金利据え置きを継続。AI市場は「インフラ構築」から「収益化実証」フェーズへと移行し、明確な収益証明を示せる企業と苦戦する企業の二極化が鮮明になっている。

FANG+指数は堅調な1年リターンを維持するも短期調整局面

NYSE FANG+インデックスは2026年2月3日時点で15,343〜15,673ポイントで取引されており、52週高値の17,210.07(2025年後半記録)から約9%下落、52週安値の9,841.61からは約56%上昇している。年初来(YTD)パフォーマンスは約-4.5%と短期的な調整局面にあるものの、1年間リターンは+11.5〜29.6%と依然として好調を維持している。

当指数は等ウェイト方式(四半期リバランス時に各銘柄10%)を採用しており、2026年2月時点の構成銘柄は以下の通りである。

FANG+構成銘柄一覧(2026年2月時点)
順位銘柄ティッカー構成比率
1AlphabetGOOGL11.43%
2NVIDIANVDA11.22%
3Meta PlatformsMETA11.07%
4AmazonAMZN10.85%
5BroadcomAVGO10.20%
6AppleAAPL9.58%
7CrowdStrikeCRWD9.43%
8MicrosoftMSFT9.07%
9NetflixNFLX8.84%
10PalantirPLTR8.30%

注目すべき点として、かつて構成銘柄であったAlibaba、Baidu、Tesla、Twitterに代わり、Palantir、Broadcom、CrowdStrikeが新たに採用されている。

関連ETFについては、FNGU(3倍レバレッジETN)が約$24.51(52週レンジ:$7.95〜$34.14)、FNGG(2倍レバレッジETF)が約$185〜201(52週レンジ:$96.49〜$273.04)で取引されている。両商品とも年初から10%前後の下落を記録している。

米国経済は底堅さを維持、FRBは慎重姿勢を継続

米国経済は予想以上の回復力を示している。2025年第3四半期GDPは年率+4.4%と2023年第3四半期以来最も高い成長を記録し、アトランタ連銀のGDPNow推計によれば第4四半期も+4.2%で推移する見込みである。2026年通年のGDP成長率予測は、FRBが2.3%、IMFが2.4%、ゴールドマン・サックスが2.6%と、緩やかな成長が見込まれている。

FRBは2025年に計175ベーシスポイントの利下げを実施し、現在の政策金利は3.50〜3.75%。2026年1月28日のFOMC会合では金利据え置きを決定したが、ミラン理事とウォラー理事の2名が25bp利下げを支持する異論を唱えた。パウエル議長は「政策はそれほど制限的ではない」と述べ、経済は「堅固な基盤の上にある」との認識を示した。市場は2026年中に1〜2回の追加利下げを織り込んでいる。

インフレについては、PCEインフレ率が2.8%(2025年11月)、コアCPIが2.6%(2025年12月、2021年3月以来の低水準)と、FRBの目標2%に向けて低下傾向にあるものの、依然として「やや高止まり」の状態が続いている。FRBは2%目標への回帰を2027〜2028年と見込んでいる。

AI主導企業の決算が二極化を鮮明に

NVIDIAは記録的業績でAI覇権を維持

NVIDIAは2025年度第4四半期(2025年1月期)において売上高393億ドル(前年同期比+78%)、通期売上高1,305億ドル(+114%)と過去最高を記録した。特にデータセンター部門は356億ドル(+93%)と驚異的な成長を遂げ、新アーキテクチャBlackwellは初四半期で110億ドルの売上を達成した。粗利益率は73.0%(前年同期比-3.0pt)と高水準を維持するも、Blackwell量産立ち上げに伴い第1四半期は約71%への低下を見込む。現在の時価総額は約4.4〜4.6兆ドルで世界最大の企業である。

Palantirは「Rule of 40」スコア127%で異次元の成長

Palantirは2025年第4四半期売上高14.1億ドル(前年同期比+70%、上場後最高成長率)を記録。特筆すべきは米国商用収益が5.07億ドル(+137%)と爆発的に成長している点で、商用契約残高は前年比+145%の43.8億ドルに達した。Rule of 40スコアは127%と、収益性と成長の両立において卓越したパフォーマンスを示している。2026年通期ガイダンスは売上高71.8〜72.0億ドル(+61%)と強気の見通しを提示。ただし、P/Eレシオは342〜525倍と極めて高いバリュエーションとなっている。

BroadcomはAI受注残730億ドルで成長基盤を確立

Broadcomは2025年度第4四半期AI半導体売上高65億ドル(+74%)、通期AI売上高200億ドルを達成。注目すべきはAI受注残高が730億ドル(18ヶ月以内納品予定)に達している点で、AnthropicやOpenAIとのマルチイヤー契約が成長を牽引している。VMware統合も完了し、ソフトウェア部門は売上高の約42〜43%を占めるまでに成長、粗利益率93%を達成している。

Meta、Amazon、Appleの最新動向

Meta Platformsは2025年第4四半期売上高599億ドル(+24%)、通期売上高2,010億ドルを記録。AI駆動の広告ターゲティングが奏功し、広告インプレッションは+18%増加した。2026年の設備投資計画は1,150〜1,350億ドル(2025年比ほぼ倍増)と、AI基盤への積極投資を継続する。Reality Labs部門は四半期で60.2億ドルの営業損失を計上、累計損失は836億ドル超に達しているが、スマートグラス(Ray-Ban)の売上は3倍以上に成長している。

Amazonは第3四半期(最新発表分)でAWS売上高330億ドル(+20%、2022年以来最速成長)を達成。クラウドバックログは2,000億ドルに到達し、独自AIチップTrainium3を発表(NVIDIA比30〜40%のコスト削減を実現)。現在の時価総額は約2.5〜2.6兆ドルで、3兆ドル到達には約25%の株価上昇が必要だが、アナリスト44名中44名が「買い」推奨となっている。

Appleは2026年度第1四半期(2025年12月期)で過去最高の売上高1,438億ドル(+16%)を記録。iPhone売上は852.7億ドル(+23%)と史上最高を更新し、中国でも前年同期比+38%の驚異的な回復を見せた。Apple Intelligenceの採用が進んでおり、対応iPhone利用者の「過半数」が積極的に活用しているとTim Cook CEOは述べている。

Microsoft、Alphabet、Netflix、Teslaの動向

Microsoftは2026年度第2四半期売上高813億ドル(+17%)、Azure成長率+40%を達成するも、株価は決算後約11%下落。市場はAI投資に対するより明確なROI証明を求めている。四半期設備投資は375億ドル(過去最高)に達し、その3分の2がGPU/CPUに充当されている。

Alphabetは第3四半期売上高1,023.5億ドル(+16%、初の1,000億ドル超四半期)、Google Cloud売上高152億ドル(+34%)を記録。クラウドバックログは+82%増の1,550億ドルに達している。反トラスト訴訟では、裁判所がChrome売却を却下し、行動規制的な措置にとどまったことはGoogleにとって相対的な勝利と評価されている。

Netflixは第4四半期売上高120.5億ドル(+18%)、有料会員数3.25億人を達成。広告付きプランは月間アクティブ視聴者1.9億人に到達し、広告収入は前年比2.5倍に成長。ワーナー・ブラザーズ買収(総額830億ドル)を発表し、コンテンツ基盤の大幅強化を図っている。

Teslaは2025年通期で初の年間売上高減少(-3%、948億ドル)を記録。年間販売台数は163.6万台(-8.6%)で2年連続減少し、BYDが世界最大のバッテリーEVメーカーの座を獲得した。一方、ロボタクシーサービスはオースティンで開始され、2026年前半にダラス、ヒューストン等への拡大を予定。エネルギー事業は+49%成長と好調で、FSD(完全自動運転)サブスクリプションは110万件(+38%)に達している。

テクニカル指標は中立からやや弱気を示唆

現在のFANG+指数に関するテクニカル分析は、全体として中立からやや弱気のシグナルを示している。

RSI(相対力指数)については、指数全体はニュートラル圏にあるが、構成銘柄間で乖離が見られる。Appleは22〜27と著しく売られ過ぎの領域にあり、短期的な反発余地がある一方、Amazon(54〜77)やMeta(64.5)はニュートラルから買われ過ぎ寄りの水準にある。

MACDは銘柄間でシグナルが分かれている。Apple(-1.68)とMicrosoft(-2.47)はシグナルライン下で推移し売りシグナルを示す一方、Amazon(+1.36)とAlphabet(+2.24)はシグナルライン上で推移し買いシグナルを発している。

移動平均線の状況は以下の通りである。

主要銘柄の移動平均線との位置関係
銘柄50日MA200日MA判定
NVDA$183〜190$167〜190強気(両MA上)
AAPL$264$273弱気(両MA下)
MSFT$469$479弱気(両MA下)
META$657$695弱気(デスクロス確認)
AMZN$230$227強気(両MA上)
GOOGL$326$315強気(両MA上)

主要サポート・レジスタンスとして、指数の52週高値17,210がレジスタンス、15,282付近が直近サポートとなっている。TradingViewのチャート分析では、ヘッド・アンド・ショルダー(弱気反転パターン)の可能性が指摘されている。

AI市場は「収益化実証」フェーズへと移行

2026年はAI市場にとって「実証の年(Year of Proof)」となっている。2023〜2025年の「インフラ構築」フェーズから、「推論・収益化」フェーズへの移行が進行中であり、市場はGPU調達やデータセンター発表を評価する段階から、測定可能な売上とROIを要求する段階へとシフトしている。

ハイパースケーラーの設備投資は2026年に5,000億ドル超に達する見込みで、内訳はAmazon 1,250億ドル超、Microsoft 940〜1,400億ドル、Meta 1,150〜1,350億ドル、Alphabet 910〜930億ドルとなっている。この投資総額の約75%がAIインフラに充当される。

エンタープライズAI採用率は87%に達し主流化が進むものの、AIユースケースの本番稼働はわずか31%にとどまっている。生成AI市場規模は2025年の約220〜670億ドルから、2030年代初頭には4,000億〜1兆ドル超への成長が予測されている(CAGR 37〜43%)。

収益化において明確な二極化が進行しており、勝者はMeta(AI広告ターゲティングで+24%増収)、NVIDIA(Blackwell初四半期110億ドル)、Palantir(+70%成長)である一方、収益化が不透明な企業には厳しい株価評価が下されている。Microsoftの決算後11%下落はその典型例である。

高金利環境がハイテク株に与える構造的影響

現在の政策金利3.50〜3.75%は、2022〜2023年のピーク(5.25〜5.50%)から低下したものの、2010年代の超低金利環境と比較すれば依然として高水準にある。この環境がハイテク株に与える影響は多層的である。

バリュエーション面では、S&P 500の予想P/Eレシオは22.4倍で2021年の水準に並び、2000年の24倍に接近している。S&P 500の予想益利回り(約4.5%)と10年物国債利回り(約4.0%)の差であるエクイティリスクプレミアムはほぼゼロに近づいており、これは歴史的に見てバリュエーションリスクが高いことを示唆している。

グロース株とバリュー株のパフォーマンス格差は1990年代後半のテックバブル以来の水準に達しており、ゴールドマン・サックスは「バリュー株の探索」を2026年の主要投資テーマの一つに挙げている。ブラックロックは「AI以外のセクターでもファンダメンタルズが改善している」と指摘し、スタイルローテーションの可能性を示唆している。

債券との競合という観点では、高品質債券の期待リターン(約4%)が株式の長期期待リターン(バンガード予測で4.0〜4.5%)に接近しており、分散投資における債券の魅力が増している。モーニングスターの調査では、10年期待リターンは株式5.3%に対し債券4.1%と、その差は縮小傾向にある。

結論:選別投資の時代へ

2026年2月のFANG+指数は、短期的な調整局面にあるものの、構成銘柄の多くがAI革命の恩恵を直接的に受けており、中長期的な成長ポテンシャルは維持されている。しかし、市場の焦点は明確に「AI投資額」から「AI収益化」へとシフトしており、収益証明を示せる企業への選別投資が今後ますます重要になる。

テクニカル面では、NVDA、AMZN、GOOGLが主要移動平均線上で推移し相対的な強さを示す一方、AAPL、MSFT、METAは弱気シグナルを発しており、指数内でも明確な強弱の分化が生じている。

マクロ環境では、FRBが2026年中に1〜2回の追加利下げを実施する見込みがあり、これはハイテク株にとってポジティブな要因となりうる。ただし、エクイティリスクプレミアムの縮小とバリュエーションの高さは、業績が期待を下回った場合の下方リスクを増大させている。

投資家は、AI収益化の進展度、各社の粗利益率推移、そして2026年8月のEU AI法施行といった規制動向を注視しつつ、ファンダメンタルズに基づいた銘柄選択を行うことが求められる。

よくある質問(FAQ)

Q. FANG+指数とは何ですか?

A. NYSE FANG+インデックスは、米国を代表するハイテク・成長株10銘柄で構成される株価指数です。2026年2月現在の構成銘柄は、Alphabet、NVIDIA、Meta、Amazon、Broadcom、Apple、CrowdStrike、Microsoft、Netflix、Palantirの10社で、四半期ごとに各銘柄10%の等ウェイトでリバランスされます。

Q. 2026年のFANG+指数のパフォーマンスは?

A. 2026年2月時点でFANG+指数は15,343〜15,673ポイント付近で推移し、年初来で約-4.5%の下落となっています。ただし、1年間リターンは+11.5〜29.6%と依然として好調を維持しています。

Q. AI銘柄で明暗が分かれている理由は?

A. 2026年のAI市場は「インフラ構築」フェーズから「収益化実証」フェーズへ移行しています。Palantir(米国商用収益+137%)やNVIDIA(Blackwell初四半期110億ドル)のようにAI投資を具体的な売上に転換できている企業が評価される一方、収益化が不透明な企業は厳しい株価評価を受けています。

Q. FRBの金利政策はハイテク株にどう影響しますか?

A. 現在の政策金利3.50〜3.75%は、2010年代の超低金利と比較すれば高水準です。高金利環境では将来キャッシュフローの現在価値が下がるため、高PERのグロース株にはバリュエーション圧力がかかります。ただし、2026年中に1〜2回の追加利下げが見込まれており、これはハイテク株にとってポジティブ要因となりえます。

Q. FANG+構成銘柄で今注目すべき銘柄は?

A. テクニカル面でNVIDIA、Amazon、Alphabetは主要移動平均線上で推移し相対的な強さを示しています。ファンダメンタルズ面では、Palantir(Rule of 40スコア127%)、Broadcom(AI受注残730億ドル)、NVIDIA(データセンター売上+93%)がAI収益化の明確な証拠を示しており注目されています。

参照サイト・外部リンク

指数・市場データ

FRB・マクロ経済

企業決算・IR

AI市場分析

本記事は2026年2月4日時点の情報に基づいて作成されています。投資判断はご自身の責任において行ってください。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。



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