どうも、しきぽんです。
今回は「ブロックチェーン」技術について解説をしていきます。
仮想通貨を取引している人ならば、一度くらいこの言葉を聞いたことがあるでしょう。
場合によっては、日常的に耳にしている人もいるかも知れません。
しかし、その仕組みや概念について知る人はどれくらいいるでしょうか。
統計によれば、仮想通貨について知っていても、ブロックチェーン技術については知らないという人が、業界全体のおよそ6割近くを占めています。
特に初心者であれば、専門用語の多さに頭を抱えることも多いでしょう。
この記事を通じて、少しでもそうした人たちの疑問を晴らせれば幸いです。
それでは、本題に入りましょう。
目次
ブロックチェーンとは
ネットワーク上で発生したあらゆる「取引」を記録している台帳のようなもので、データの改ざんが極めて難しいシステムのことを言います。
分散型台帳とも呼ばれ、その台帳はネットワーク利用者全員のコンピュータ(PCやスマホなど)に分散して保管されています。ざっくりと言えば、みんなで1つの台帳を共有して、誰かが内容の書き換えを行わないか監視し合うようなイメージです。
そこには銀行のような管理機関が存在しないため、ネットワークに影響を与える権限が一か所に集中していません。その結果、システム障害に強く、少ないコストでの運用が可能となりました。
一般的にブロックチェーンとは、こうしたパブリックチェーン(後述します)を指して言うことが多いです。
ブロックチェーンの仕組み
上記の説明で、ブロックチェーンが取引の履歴を記録したものであるとお伝えしましたが、この取引データのことを「トランザクション」と呼びます。
例を挙げると、どこの誰にどれだけの暗号通貨を送ったのか、という感じですね。この事実がデータとして残り、トランザクションとして記録されていきます。
そして、いくつかのトランザクションをまとめたものを「ブロック」といい、そのブロックが鎖状に連なって保存されているものを「ブロックチェーン」と呼びます。
ブロックにはトランザクションに加えて、ナンス値(Nance:Number used once)とハッシュ値という数値が格納されています。
この二つの数値はブロックを形成する上で非常に重要な要素となっていますので、順番に解説していきますね。
ハッシュ値
ハッシュ値は、後述するナンス値によって求められる数値であり、ブロックを形成するためのキーアイテムになります。これを求めることができなければ、ブロックを生み出すことはできません。そして、次回に生成されるブロックの中に、ここで求められたハッシュ値が組み込まれます。
なお、ハッシュ値は計算に用いられる情報が少しでも違うと、算出される数値が大きく変わってしまいます。
もし、ブロックチェーンのどこかでデータの改ざんした場合、その後に続くブロック内のハッシュ値にも異常が生じてしまいます。すると、結果をネットワークに反映させることができません。
理論上は、あとに続く無数のブロックに手を加え、すべてのハッシュ値を改変することができれば、ブロックチェーン上のデータを改ざんできるとされています。
……とてもじゃないですが、現実的ではありませんね。
これがブロックチェーンが持つ強力なセキュリティの正体です。
ナンス値
ナンス値は「一度だけ使用される数字」という意味で、ハッシュ値を計算するために用いられます。
この数値を、ハッシュ関数と呼ばれる数式に手あたり次第にぶち込んでいくことで、ハッシュ値を求めることができます。
無数にある答えの中から、特定の数値を導き出した時、それがハッシュ値となってナンス値と合わさり、ブロック化します。
余談ですが、このことを「承認」といい、こうした承認を繰り返し行うことでブロックの構築を行っていく作業を「マイニング」といいます。
ビットコインなどでは、この承認を誰よりも早く行ったものに報酬が発生するため、採掘者(マイナー)と呼ばれる人たちが存在します。
基本的には、計算競争になるため、高性能のコンピュータがなければ他のマイナーを差し置いて報酬を得ることはできません。マイニングに多額の設備投資が必要と言われているのは、こうした背景があるからなんですね。
なお、ブロックチェーン上には数多くの参加者がいるため、取引の記録をリアルタイムで更新することはできません。そのため、取引の承認作業は10分単位で行われるとされています。
ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンには大きく3つの種類があります。
それぞれに特徴がありますので、ひとつずつ解説していきますね。
パブリック・ブロックチェーン
ネットワークの管理者が存在せず、取引のすべてが公開されているブロックチェーン。
銀行や企業と言った管理者がいないうえに、取引の公開もされているため、非中央集権的かつ透明性の高いものになります。
ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨がこの分類になります。
誰でも参加が可能であり、特定の個人の一声でネットワークのルールが変わることがありません。参加者全員のうち、一定数の合意が得られた場合は諸々のルールが変わる場合もありますが、頻度としては稀ですね。
冒頭でも述べましたが、一般的にブロックチェーンと呼ばれているのは、このパブリック・ブロックチェーンになります。
プライベート・ブロックチェーン
パブリック・ブロックチェーンとは異なり、特定の管理者が存在するものになります。
内部構造を外部から把握することができないため、透明性が低いと言われていますね。
透明性が低いと言われると、なんだか怪しいと思ってしまうのが人情ではありますが、それは転じてメリットにもなりえます。
秘匿性が高いため、企業などがプロジェクトを行う際に活用しやすいというメリットがあります。また、パブリック・ブロックチェーンのように、トランザクションの承認にかかる時間が長くありません。プライベートなネットワークであるため、承認にかかる時間を削減できるのです。
取引承認が早く済むということは、例えば決済手段などで需要が見込めるのではないでしょうか。
しかしプライベート・ブロックチェーンでは、管理者によるデータの改ざんや削除が比較的行いやすいというデメリットもあり、その辺には注意が必要です。
ちなみに、このタイプのブロックチェーンにはNEMとも提携しているmijin(テックビューロ社)などがありますね。
NEM好きな私としては、けっこう親近感がわくネットワークだったりします。
コンソーシアム・ブロックチェーン
パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの中間に位置するものですね。
仮想通貨の事例で言えば、リップルなどが当てはまります。SECの裁判、今後どうなっていくんでしょうか……
ともあれ、コンソーシアム・ブロックチェーンのイメージは、パブリック・ブロックチェーンとプライベート・ブロックチェーンのいいとこ取りをしたようなものになります。
管理主体は存在するものの、それは特定の誰かというわけではなく、複数の企業や組織によって構成されています。参加者数はパブリック・ブロックチェーンよりも少ないため、ネットワークの処理速度は同ブロックチェーンよりも早いです。
同様に、運営主体が複数あるため、プライベート・ブロックチェーンよりかは安全性に優れていると言えます。
考え方によっては、中途半端な存在に見えなくもないですが、そこは利用方法によって価値基準が変わります。
ユースケース
ブロックチェーン技術は、すでに銀行等の金融機関にも導入されており、我々の日常の中にひっそりと根を伸ばしてきております。いずれは当たり前のようにブロックチェーンを利用する日が来ることでしょう。
決済や送金をはじめ、電子カルテや処方箋の受付といった領域にも用途を伸ばしていました。
いずれは暗号資産を主軸に置いた銀行も誕生すると思われます。
ここで紹介した事例はごく一部になります。ブロックチェーン技術には様々なユースケースがありますので、常に目を光らせておきましょう(笑)
終わりに
いかがでしたでしょうか?
ブロックチェーン技術は暗号資産に限らず、今後の各業界で重要な役割を担っていきます。
金融庁のホームページなどにも、ブロックチェーンに関する説明文が載っていたりと、認知度も徐々に高まってきております。
今回の記事が、少しでも読んでくださった方の助けになれたなら幸いです。
あくまでも基礎の部分を記載しましたが、ブロックチェーン技術のすべてを説明するためには、これだけの情報ではまったく足りません。
この分野については、PoWやPoS、P2Pネットワーク、コンセンサスアルゴリズム、スマートコントラクトなど、様々な用語が登場してきます。また改めて紹介できる機会があれば、記事にしていきますので、よろしくお願いいたします。
また次回の記事でお会いしましょう。
コメントを残す